年齢を重ねると、「食べたいけれど飲み込みづらい」「むせやすくて怖い」と感じる方も増えてきます。そんな時に大切なのは、「無理に食べさせる」のではなく、「安心して口にできる朝ごはん」を用意することです。
なぜ朝ごはんが大切?
朝食は、夜の空腹時間を終えた体にエネルギーを与え、一日の体調を整える大事な食事。でも、嚥下(えんげ)機能が低下すると、固形物を避けて食事自体を遠ざけてしまう方も。
そんな方のために、「飲み込まなくても楽しめる朝ごはん」=“口にしても安全で、食べる喜びを感じられるメニュー”を考えてみましょう。
飲み込みにくい方におすすめの朝ごはんアイデア
◎ スプーンで食べられる「やわらか系」
- とろみ付きのおかゆ(米・雑穀ベース)
- 野菜のポタージュスープ(かぼちゃ、にんじんなど)
- ヨーグルト+すりおろし果物(バナナ・りんごなど)
◎ 栄養補給に「ゼリーやムース」
- 介護用栄養ゼリー(市販の嚥下対応食品も便利)
- 手作りプリンや豆乳ムース(甘さ控えめ)
◎ 口当たりの良い「飲む朝ごはん」
- とろみ付き野菜ジュース
- ミキサーで作ったスムージー(豆乳・きなこ・バナナなど)
- プロテインドリンク(高齢者向けのものも増えています)
飲み込みやすさのポイント
- とろみをつける:液体はむせやすいので、とろみ剤で調整すると安心です。
- 温度管理:冷たすぎると喉がびっくりしてむせやすくなることも。人肌〜ぬるめが理想。
- 無理に食べさせない:その日の体調によって食欲にムラがあるのは当たり前です。「一口でもOK」と優しく見守る気持ちを大切に。
「食べること」は生きる力
「食べること」は生きる力。だからこそ、飲み込みに不安がある方でも「安心して楽しめる食事時間」をつくっていきたいですね。朝の一杯のスープ、一さじのプリンが、穏やかな一日のスタートになりますように。